皆さんこんにちは!毎度たこ焼きです!「2019年8月27日に厚生労働省が将来の年金に関する財政検証の結果を公表し、将来の所得代替率が5割を下回る云々かんぬん。。。」とニュースが流れていました。
「財政検証」だとか「所得代替率」だとか少し聞きなれないワードが出てきて、「まぁよくわかんないけど、年金制度ってヤバくない?」っていう解釈でなんとなーっく不安をあおられてよくわからず終了って方が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、わかりづらいところは省き、わかりやすくを第一にこのニュースをご紹介していきます。
そもそも年金制度の「財政検証」って?
私たちの生活する社会というのは、日々変化していますよね。経済成長がどのくらいだとか、国民の平均寿命はどのくらい延びただとか、少子高齢化が進んでいるだとか、年金に関係する社会の変化は少し想像しただけでもいくつも挙げられます。
社会が変化しているのに、従来の年金制度をそのままずーっと続けていたら、年金制度って大丈夫なのって誰でも不安になりますよね。
そこで5年に1度、厚生労働省が「年金制度は将来的にどのくらい大丈夫なのかな」というチェックを行います。これを年金制度の「財政検証」といいます。
この結果が8月27日に公表されてニュースになっているのです。ここで注意したいのが、ニュースで取り上げられているのはサラリーマンや公務員が加入している「厚生年金」についてだということです。
ですので、この記事でご紹介するのも厚生年金に加入する「サラリーマンや公務員家族」に限定しています。
「財政検証」のモデル世帯
将来受け取れる年金というのは、その家族構成や所得によって受け取れる額が異なることは以前ご紹介しました。
そのため、年金制度の財政検証を行う際には「モデル世帯」といって、ある生活水準の家庭を基準として設定しています。
【モデル世帯】
- 夫は40年間サラリーマンで厚生年金(正確には国民年金2号も)に加入
- 夫の収入はボーナス込みで40年間ずっと現役世代の平均額(35.7万円/月)で一定とする
- 妻は40年間ずっと専業主婦(国民年金3号に加入)
「所得代替率」ってなに?
さて財政検証の結果を見ていく上で、「所得代替率」というワードが出てきます。
「所得代替率」とは、“現役世代の手取り収入に対する年金の給付水準”のことをいいます。
簡単にいうと、私の夫のような現役で働いている男性の平均収入の何割くらいをご高齢の方は年金としてもらえているのかなということを表したものです。
2019年度現在においてモデル世帯では、平均手取り収入額が35.7万円に対し、夫婦の基礎年金と夫の厚生年金の合計は22万円ですので、所得代替率は61.7%(=22÷35.7×100%)となります。
「所得代替率」が高いほど、現役世代の収入に近い年金を受け取れるので、年金受給者にとっては良い状態といえます。
「財政検証」の結果どうなる?
財政検証は将来の予測なので、今後の「出生率・物価上昇率・賃金上昇率・平均寿命・経済成長率・労働参加率・積立金の運用成績」等の良し悪しで1番良いケースから1番悪いケースまでの6パターン想定されています。
6パターンのうち経済成長も進み、女性や高齢者の労働参加率が最も良い状態でも所得代替率は2046年に51.9%(モデル世帯の平均収入50.6万円に対し、年金受給額が26.3万円)という結果でした。
経済成長や労働参加があまり進まない悪いケースのパターンの場合は所得代替率が政府目標の50%を下回るという予想でした。
最も良い予想でも現在の61.7%から2046年には51.9%の所得代替率の低下ですから、将来我々が受け取れる年金は金額の上ではなく生活に占める年金の割合という上で現在よりも約2割減してしまうという結果でした。
終わりに
この財政検証では、なるべく将来の世代の所得代替率をあげようと「マクロ経済スライド」という仕組みを取り入れた上での試算になります。(「マクロ経済スライド」の説明を始めると長くなってしまうので、また別の回でご紹介できればと思います。)
なるべく“将来のために”という形を取っても所得代替率の2割減は避けられないという予想なわけです。
政府は所得代替率50%以上確保することを目標にしているそうなので、50%以下が現実味を帯びてきたら新たな対策が行われるというのが専門家の意見だそうです。
少子高齢化や経済成長の鈍化が進む中で、年金受給が今のままという未来は誰も期待していないでしょうが、どのくらい厳しい状況になりそうだから、自分がしたい生活水準を保つにはどのくらい確保しておく必要があるか個人で考えなければならないですね。
これからも「もっと楽しく もっと自由に」暮らせる公務員家族が少しでも増えたらいいなと思って情報発信していきます。質問やご意見等があれば、twitterやコメントも頂けたら幸いです。
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